【寄稿】安保法案に思う~弁護士 堀 和幸
※堀和幸弁護士から寄稿いただきました!
安保法案に思う
ほんの100年と少し前、我が国は朝鮮半島を植民地化し、中国更には東南アジアにまで侵出、侵略し、世界を相手に戦い、
その戦争に敗北しても「敗戦」とは言わず(8月15日は「『終戦』」記念日」である。)、
「敗戦」の教訓から平和憲法を制定し、これにより戦争を放棄し、軍備及び交戦権を否認したにもかかわらず、「自衛隊」という名の軍隊を復活させ(近時は平和維持活動の名目でこれを海外に派遣している。)、
世界一の軍事大国アメリカと軍事同盟を結び、これに軍事基地を提供し(それは日本を守るためではなく、アメリカの世界軍事戦略の一環であり、そのほとんどを多くの島民が犠牲となった沖縄に集中させている。)、
中国や朝鮮民主主義共和国の脅威を過度に宣伝し(日本がこれらの国を侵略したことはあっても、これらの国が日本を侵略したことはない。)、
「唯一の被爆国」でありながら原子力エネルギーに依存し、その破綻を明らかにした福島原発事故の後も原発を再稼働させ、
「先進国」の中で唯一死刑を存置、執行している。
そして、この様な敗戦後の日本を形作ったのは平和憲法の「改正」を唱える保守政党であるが、これに永年に亘る政権担当を可能にしたのも、安倍政権を誕生させたのも我々市民・国民(私も含め)である。
こう考えてみると、我々は(私も含め)過去の過ちに学ばず、物事を解決するために生命を奪ったり、武力に訴えることに抵抗の少ない好戦的な側面があることは率直に認めなければならない。
そして、だからこそ、戦争を可能にし、我々が殺し、殺されることを可能にする安保法案に反対しなければならない。
(2015.8.21 弁護士 堀 和幸)
※8月29日の円山公園の集会にお越しください!