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【京都の弁護士グループ】安保法制に異議あり!怒れる女子たちの法律意見書(※男子も可)

怒れる京都の女性弁護士たち(男性弁護士も可)が安保法制の問題点について意見するブログです。

安保法の施行にあたって~ウェブ学習会開講のお知らせ~

 本日、ついに、昨年9月19日に成立した新しい安保法制が施行されました。
 ご承知のとおり、この安保法制の成立にあたっては、つぎの3つの明白な憲法違反が行われました。

 1つめは、集団的自衛権の行使を容認する憲法9条に明白に違反する内容の安保法を成立させたこと。

第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 2つめは、憲法96条が規定する正式な憲法改正の手続を飛ばして実質的な解釈改憲を行おうとしたこと。

第九十六条  この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

 3つめは、国会議員に課せられた憲法99条の憲法擁護義務に違反したこと。

第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 

 日本は、敗戦後の70年にわたり、憲法を最高法規とし、憲法のもとに政治を行うという原則(立憲主義)を貫いてきました。

 憲法は、法律の親玉でなければ、「株式会社日本」の経営理念や行動指針でもありません。
 国家権力は必ず濫用されるという厳然たる事実に基づき、国家によって主権者である国民の基本的人権が侵されることのないように、国家権力を制限するためのルールです。

  第十章 最高法規

第九十七条  この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

第九十八条  この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2  日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

 そのルールを、ここまであからさまに無視し、破壊する政権は過去70年間にありませんでした。
 その事実は、あまりにも、あまりにも、重いものです。

 

 いまの政権は、この国を一体どこへ向かわせようとしているのでしょうか。

 10年以上前に、この国の行く末を案じて作られた、1冊の絵本があります。
 それが、昨年秋にアニメーション化され、ふたたび話題になっています。

noddin.jp

 この中で、

でも、国のしくみやきまりをすこしずつ変えていけば、
戦争しないと決めた国も、戦争できる国になります。

そのあいだには、
たとえば、こんなことがおこります。

 というくだりがありますが、この後で紹介されることは、どれもすべてこの国ですでに起こってしまったことです。
 もう、そういう法律が、できてしまっているのです。

 さらに、

おとなは、「いそがしい」とか言って、
こういうことになかなか気づこうとしませんから。

f:id:gekidojo:20160327170336j:plain

(戦争のつくりかたアニメーションより)

 というくだりまであります。
 ドキッとするのは、私たちだって同じです。

 

 私たち弁護士は、裁判官、検察官とともに、法曹の一員として司法の一翼を担い、日常的に「法の支配」の実現に携わっています。
 法曹三者の中で唯一在野にある、私たち弁護士は、弁護士法1条で「基本的人権の擁護」と「社会正義の実現」を使命とするとされています。

(弁護士の使命)
第一条  弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
2  弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。

 憲法が無視され、踏みにじるられるということは、私たち国民の基本的人権が重大な危機にあるのと同じです。

 私たち「激!怒れる女子会@きょうと(※男子も可)」は、特定の政治団体を支持する集まりではありません。政治活動がきらいな人、したことがない人、そうじゃない人が混ざっていますが、弁護士としてこの異常事態を放置できないという、ただその一点で集った個人の集合体です。

 私たちは、この半年間、安保法制や憲法についての学習会に無料で講師を派遣する活動を重点的に行ってきました。それは、弁護士として、できるだけ多くの人に、いまこの国で起きている事実をきちんと伝え、考えるための材料を提供したいという思いからです。

gekidojo-kyoto.hatenablog.com

 安保法施行にあたり、この半年間の講師派遣活動の経験をふまえて、このブログ上でもその内容をお伝えすべく、「ウェブ学習会」を開講することをご案内します。

 正直のところ、文字にするのは、裁判所に提出する書面を作成するのと同じくらいの時間とエネルギーを要します。
 私たちも、それぞれ弁護士として依頼事件を抱え、従業員を雇用する事業主であり、また、家庭内の役割もあり、この活動にあてられる時間やエネルギーにはどうしても制限があります。
 それでも、この国の「これから」のために、先にご紹介したアニメーションにある、戦車が通る横でパソコンに向かっているだけの大人たちにはならないようにしたいと思います。

 本日夕刻に開講する第1回ウェブ学習会を最初として、今後、週に1回は学習会を開催する予定です(新しい解説記事をアップします)。できるだけ分かりやすく、丁寧にお伝えしていきたいと思っています。

 よろしければ、このブログを今後時折御覧いただき、私たちの「ウェブ学習会」にご参加いただれば嬉しいです。
 私たちのFacebookでも、いろいろなニュースをご紹介するとともに、ブログの更新情報もお伝えしておりますので、こちらもぜひ御覧いただければ幸いです。

https://www.facebook.com/gekidojyokyoto/

   (会を代表して  弁護士 山下信子)