「必ず止める」ための「落選運動」とは、「ミットを貫きバックネットに届く感覚でストレートを投げる」ことだ
29日(土)の緊急府民集会は大変大勢の方が来場されました。
参加者は、集会中の発表では4500名とのことでしたが、後で会場がいっぱいで入場できなかった方が500~600名いらっしゃったことが判明し、後に5000名に修正されました。
各紙でも報道されています。
「安保法案は違憲」4500人訴え 京都で緊急集会 : 京都新聞
京都)安保法案反対集会に4500人 デモ行進も 東山:朝日新聞デジタル
安保法制:現場から 「安全脅かす法にノーを」東山の集会に4500人 京都弁護士 /京都
【茨城新聞】反安保集会、一斉に「廃案」
4500人が「違憲法案は廃案に」 京都弁護士会緊急府民集会 | 京都民報Web
会場あふれる4500人/京都 戦争法案止めよう 弁護士ら大集会
集会の冒頭に、京都弁護士会の白浜徹朗会長が「集団的自衛権の行使容認は憲法に明らかに違反しており、立憲主義にも反する。弁護士として憲法を守るのが使命」と挨拶されましたが、これは、弁護士会の立場を明確に示していて、素晴らしかったです。
今回の安保関連法案が、単に政治的問題に終始しているのなら、弁護士会はここまで反対しません。
政治的問題である以前に、法的問題であるからこそ安保法案に反対しているのです。
SEALDsKANSAIの齊藤凜さんが「安保法案を通したいなら、憲法改正手続をまずとるべきなのに、なぜそれをしないかがわかりません。」とおっしゃっていたとおりです。
また、小林節先生の講演、めっちゃ面白かったです。
バッサバッサ切る感じで非常に明快で笑いが絶えず、参加者も大いに励まされたはずです。
集会の様子は「IWJ中継市民チャンネル 京都Ch1」でネット配信されていますので、ぜひご覧ください、オススメです。
Stream videos at Ustreamwww.ustream.tv
◆「強行採決されても次の選挙で政権交代させればよい」との小林節先生の発言
ところで、小林節先生の講演の中で「強行採決は行われるだろう。しかし、政権を交代させればこの騒ぎは収まる」との趣旨の発言をされました。
この発言について、集会後に弁護士たちで評価が分かれ、意見が交わされました。
A弁護士
「私、今国会で絶対止めようと思って、必死に頑張っていたのに、強行採決されてしまうって言われて、意気消沈やわ~」
B弁護士
「いやいや、そこは想定して対応しないと。
それに、節先生は、変化する状況に応じて、ああいうことをおっしゃったんだと思うんですよ。」
C弁護士
「ふむ、あれは、阪神の藤浪がストレートを投げる時の『キャッチャーミットを貫いてバックネットまで届く感覚』というやつと同じやな。」
皆
「は?!」
C弁護士
「バックネットまで届く感覚で投げれば、その手前のキャッチャーミットでは、鋭くストレートが突き刺さる。
『強行採決をしてしまったら、来年の選挙で自公には目がない。』ということを具体的な姿勢で示すことが、今、審議がされている参議院の議員に一番効く、それが参議院で強行採決させない上で一番大事っちゅう話や。 」
皆
「あぁ、なるほど、それならよくわかります~。」
というわけで、来年夏の参議院での与党の改選議席数を調べてみました。
2016年参院選での改選者は、次のサイトを見ることでわかります。
自民党50議席、公明党9議席が改選の対象です。
氏名も、選挙区も書いてありますね。
一方、参議院の総議席は242名、過半は122名です。
現状では、自民党115議席、公明党20議席、与党合計135名であり、過半数を占めている状況です。
仮に、自公のうち14名以上の議員が可決に票を投じなければ、与党は参議院で採決過半割れとなるわけですね。
だとすれば、来年夏の参議院の改選議席の自公の議員の皆さん59名に対して「強行採決をしてしまったら、来年の選挙に勝てませんよ。」と伝えてプレッシャーを与え(いわゆる落選運動ですね)、うち14名以上に採決を躊躇させれば、参議院での採決はなくなるということになりそうです。
特に、与党は、参議院で採決しなくとも60日ルールを使えば衆議院で再議決が可能ですから、「来年選挙がある参議院で冒険する必要はない。」という考えになびく可能性も出てきそうです。
なお、衆議院での再議決も、言うほど簡単ではなく、政治的リスクをはらみますから、政権を追い込み安保法案を断念させることにつながるはず・・・?
純粋な落選運動は、公職選挙法の事前運動規制にもかかりません。
(落選運動についてはこちらの渡辺輝人弁護士の記事をご参照。)
効果的な落選運動を始めることが今「必ず止める」ために、ミットに鋭いストレートを投げ込むことになる。
小林節先生の上記の発言は、そういう趣旨なんだと思えてなりません。
そう思って、またガンバル気持ちがわいて来ました!
(文責 山下信子)