強行採決させないために!〜私たちがいまできる3つのこと~
18日までに、安保法案が強行採決されるのではないか、と言われています。
しかし、この法案が憲法9条に違反していることは明白です。
圧倒的多数の憲法学者、全国すべての弁護士会、歴代の内閣法制局長官、そしてとうとう、最高裁判所の元長官までもが、「違憲」と明言しました。
憲法99条は「国会議員…は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」としています。国会議員が、違憲であることが明白な法案に賛成することは、この義務に違反します。
それでもなお、安倍政権は、安保法案を強行採決するつもりでいます。
「そんなおかしなことが現実になるの?」と思われている方も多いでしょう。
まさに異常事態です。
「政治は憲法によって行われなければならない」というルールを”立憲主義”といいます。憲法によって国家権力に「鎖」をつけ、それによって国民の権利や自由を守っているのです。
しかし、安倍政権は、自分を縛る憲法という「鎖」を、いま、振り切ろうとしています。
立憲主義が危機に陥っています。
これをどうしたらよいでしょうか。
なんとかして「本当に止める」ために、今、何ができるでしょうか。
たくさんの人が考えていることでしょう。
私たちも、考えてみました。つぎの3つです。
1 最後まで諦めずに、反対の「輪」を広げる
安保法案が強行採決されることを前提に話す人がいます(一部の報道もそうです)。
しかし、試合はまだ終わっていません。
9回裏の逆転ホームランはよくあることです。
「憲法守って」という主張が通らないほうが異常事態なのです。
いまが正念場、この一週間が勝負どころでしょう。
「こんな法案本当に通るの?」とテレビの前で思っているだけの人はまだまだいっぱいいます。
購読している新聞によっては、安保法案の問題点が隠されたままの人だっています。
だから、あなたの周りの人に語りかけ、メールをしてみて、安保法案についての話の輪を広げてください。そして、あなたの感じている懸念を伝えて下さい。
このブログのことも伝えてもらえると嬉しいです。
そうすれば必ず、世の中は動いていきます。
あかりちゃんもこういっています。
私は私の思うベストを尽くすし、少しでも思いが重なるなら今まで通りいろんなアクションを応援するし、参加もするよ。 私は安保法制に反対で、これを廃案にしたい。そのためにできることならなんでもしたい。 みなさんの進む道と私の進む道がどこかで出会って、挟み撃ちにできたら一番いいな❗️
— あかりちゃん (@oshieteakari) 2015, 9月 8
最後まで自分のできることをしましょう。
2 予定の合うデモや集会に参加する
全国の人の思いは同じです。
全国各地で大規模な集会やデモが企画されています。
先日の8月29・30日のデモでは、全国の民意を示し、政府与党内でも慎重意見を述べる議員が出ました。一定の揺さぶりをかけたと言えるでしょう。
「国民」vs「国会議員」の交渉において、デモはボディーブローのように効いていきます。
これまで、反対デモに行ったことのある方は、必ず参加しましょう。
まだ参加したことがない方は、いまこそ足を運びましょう。
どうしても参加できない方は、誰かに集会への参加を呼びかけましょう。
各地のデモ情報は以下で知ることができます。
京都では、16日に京都弁護士会が午前10時から午後8時までの10時間連続街頭アピールを行います! ぜひお立ち寄りください!
また、はじめてデモに参加される方は、つぎの記事もご参照ください!
学生さんはぜひ以下もご覧ください!
3 国会議員にメッセージを送る
実際のところ、これが一番効果があるかもしれません。
現在、自民党も、公明党も、法案成立に向けて、党内の“引き締め”をはかっています。
安倍首相も菅官房長官も、ことあるごとに「気を引き締めて」と言っていますし、自民党総裁選も無投票となりました。
今、自公の議員には、党から大変なプレッシャーがかかっているでしょう。
しかし、国民の「法案反対」の声は非常に大きなものです。
今回の法案に賛成することに、内心では躊躇する思いを持つ議員は少なくないのではないでしょうか。
それに、彼らは党員である前に、一人の国会議員です。
国会議員は、憲法を尊重し擁護する義務を負っています。
日本国憲法99条
党に命じられたからと言って、憲法に違反することは許されません。
彼らに一人の国会議員として、正しい行動をとってもらえるように、後押しできないものでしょうか。
国会議員は、「地元の声」は無視することができないと言われています。
彼らの国会議員としての身分は地元の支持あってのものだからです。
地元の人からの直接の声は、国会議員を動かす力を持っています。
だから、あなたも地元の議員にあなたの声を届けてみませんか。
直接国会議員に声を届けるという方法は、実際にとっても効果があるそうです。
忙しい国会議員ですから直接会ってもらうことは難しいと思いがちですが、直接訪問して反対の声を伝えた人もいます。ママの会の活動では、ママさんたちひとりひとりが書いた要望書を国会議員に手渡ししたそうです。
訪問するなんてできないと思う人も、お手紙を送ることはできるでしょう。
開封の手間を考えたら、ファックスの方がより簡便かもしれませんし、送り先もよく見ているようです。
国会議員が、私たち地元の一般市民と直に接したり、意見をもらう機会はそう多くありません。
だから、そうやって自分の事務所に手紙やファックスで届けられる「有権者からのダイレクトな声」は重みがあるのです。
「面識もないのに、いきなり手紙やファックスを送るなんて、ぶしつけじゃないかしら」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、国会議員は全国民の代表です。
あなたが選挙で選んでいない議員だって、あなたを代表しているのです。
主権者である国民が、自分たちにとって深刻に重要な問題についての要望を伝えるのに、躊躇はいらないでしょう。
お手紙やファックスでメッセージを伝える場合、宛先、自分の住所、氏名、日付などを書く以外は、特に決まりがあるわけではありません。
礼節を守りつつ、あなたの思いを伝えればよいのです。
参議院には全部で242人の議員がいて、法案が成立するには過半数(122人以上)の賛成が必要です。
現在、参議院の自民党議員は113人、公明党議員は20人で、合計すると133人です。
自民党と公明党の議員で「賛成しない」議員が12人いれば、自公のみでは過半数に達しません。反対する必要はなく、棄権や欠席でもよいのです。
また、衆議院には全部で474人いて(欠員1)、60日ルールで衆議院で再議決するには3分の2(316人)以上の賛成が必要です。
現在、衆議院の自民党議員は289人、公明党議員は35人で、合計すると324人です。自公の議員で「賛成しない」議員が9人いれば、自公のみで3分の2に達しません。
100人を動かすとか、安倍総理を動かすとかいうと難しく聞こえます。
でも、12名とか9名を動かすだけならなんとかできるかもしれません。
この法案の採決に本心では疑問を持っている議員は少なくないと思います。
あなたの声で、1人の議員が動けば、これだけの反対世論があるのですから、雪崩をうって、5人、10人、20人と動くかもしれません。
ぜひ検討してみてください。
どの議員にメッセージを送るか、どんなメッセージを送るかを考え、実際に書く作業は、そのまま私たちを代表する国会議員について関心を持ち、その方々と自分とのつながりを考える作業になります。
この作業は、この国の民主主義にとって、とても大事です。
ご家族やお友達など周囲の方と、地元の国会議員について情報交換しながら考えてみてください。みんなでやれば、楽しい作業になるかもしれません。
そういう会話が私たち国民の間で広がれば広がるほど、国民の声が政治に反映されるでしょう。
私たちは、いま、民主主義、立憲主義を取り戻そうとしています。
だとすれば、まだやれること、やるべきことはたくさんあります。
私たちそれぞれが、憲法12条の文言をかみしめ、最後まであきらめずに、それぞれの持ち場で、できるだけの「努力」をしましょう。
日本国憲法12条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。
(弁護士 山下信子、弁護士 古家野晶子)
※メッセージサンプル
ファックスでメッセージを送る場合のサンプルを作ってみました。参考になさってください。そのまま使っていただいても結構です。枠内は自由記載欄ですので、自由に手書きのメッセージを入れてください。
国会議員の事務所の住所、電話、ファックス番号は、以下のサイトで確認できます。
地元の国会議員の調べ方や連絡先は、以下にまとめていますのでご覧ください。
※以下も、国会議員にメッセージを届けた例のひとつです。ぜひ御覧ください。