【京都の弁護士グループ】安保法制に異議あり!怒れる女子たちの法律意見書(※男子も可)

怒れる京都の女性弁護士たち(男性弁護士も可)が安保法制の問題点について意見するブログです。

廃部の弁。。。だけどお誘い~9.22京都大集会(京都弁護士会主催)

1   「激!怒れる女子会@きょうと※男子も可」は、きょうをもって、廃部することにしました。
 理由は単純で、もともと私たちは、「期間限定の集合体」として出発したからです。
 廃部にあたり、少し活動を振り返ってみたいと思います。

 

2 私たちは、2015年6月末、安保法制の成立を止めたくて、ただその一点で集まり、活動を開始しました。
 8月に、blog「安保法制に異議あり!怒れる女子@きょうとの法律意見書※男子も可」を立ち上げ、「ウェブ学習会」シリーズや「刑事訴訟法シリーズ」で、安保法制の問題点や民間人の戦争体制への組み入れ体制について解説しました。
 京都弁護士会の先輩弁護士たちからも、たくさんの味のある寄稿が寄せられました。
 blogのアクセスは、4万8千を超え、そのうち、3600超が、参議院選挙の最後の5日間のアクセスでした。
 FacebookやTwitterでも活動し、たくさんの情報を寄せていただきあるいは拡散いただきました。

 

 blogのヒット作も生まれました。
 ママと子どもたちのデモが沿道から襲われたことを知って憤激した、自らも子育て中のメンバーは、自分は一度もデモに参加したことがないのに、デモやパレードの憲法上の位置づけや参加する場合の注意点をやさしく解説しました。
 このblog-「はじめてデモ・パレードに参加される方へ~デモ・パレードの参加心得」(2015年8月20日)-は、あっという間に2000シェアを超え、このblogを見て初めてデモに参加したという方もいました。

 参議院選挙直前には、「憲法改正」を選挙の争点から隠す与党の動きに憤ったメンバーが、渾身の4つのblogを連続してアップしました。
 7月1日「今回の選挙にあたって考えたい4つのこと」
 7月4日「選挙に興味がないあなたこそが選挙結果を左右する!」
 7月6日「日本はEU離脱騒動の二の舞を舞うのか~憲法改正を止められるのは今です!」
 7月8日「理論的に「憲法改正」だけが唯一の争点~憲法改正を阻止できるのは今です!」
 最後のblogは、2日間で1400シェアを超えました。

 貴重な1票が春の忙しさや手続きを知らないために行使されないことがあっては残念!との思いから、「参院選 この春引越しをされた方へ 不在者投票はお済みですか?」で、不在者投票の手続きについて解説もしました。

 

 ロングセラーも生まれました。 
 刑事訴訟法や関連法で進む市民監視体制について解説したシリーズです。

 「刑事訴訟法改正と今市事件~取り調べの可視化の間違った使い方がえん罪を増やすかも」(2015年6月11日)
 「刑事訴訟法改正案の問題点~不十分な取り調べの可視化と引き換えに盗聴拡大、司法取引新設」(2015年8月24日)
 ウェブ学習会「 秘密保護法+共謀罪+盗聴法=戦争するための市民監視体制の完成!?」(2016年4月16日)。
 素晴らしい講演とレジュメの寄稿も得ました。「誰が決めた?誰が決める?可視化・盗聴・司法取引 刑事訴訟法改正のオモテとウラ」(2016年6月14日)です。

 このシリーズは静かにGoogleやYahoo!からのアクセス先のトップであり続けました。多くの方がこの問題に関心を持ち、パソコンで情報収集をしていて、私たちのblogに辿りついて下さったのだと推測します。刑事弁護の水際で奮闘している弁護士の、平易な解説は案外少ないのかもしれません。

 

 シリーズと言えば、「国家緊急権」や、民間人への強制措置(自衛隊法、国民保護法)についても、繰り返し書きました。
 「『国家緊急権』の危険性~憲法の破壊につながるおそれ~」(2016年2月11日)
 「国家緊急権は、パラドックスでディレンマなのです。。。」(2016年2月11日)
 ウェブ学習会『民間企業・民間人組み入れ編』(第1回:2016年4月21日)、(第2回:2016年6月6日)
 リアル・ウェブ学習会 実況版(その1:2016年4月30日)(その2:2016年5月7日)(その3:2016年5月14日)(電子書籍:2016年5月20日)

 

 私たちの、地味なblogやFacebook、Twitterを見てくださった方、拡散してくださった方、感想を寄せてくださった方、「いいね」をして下さった方々に、心からの感謝を呈します。
 「弁護士さんが書いているので、信頼して読める。」、「とにかくわかりやすいのがいいです。」、「先生、楽しみにしてますよ。」などの声に、どんなに励まされたことでしょう。

 

 出張講師活動もしました。blog「あなたの近場で学習会をしてみませんか?私たちを講師に呼んでください!」でも呼びかけ、安保法制成立前に2回、成立後に25回、およそ500人の方々の前で、安保法制の危険性と民間人組み入れ体制、選挙の重要性について、お話しました。
 blogを見て申し込んで下さったり、そこに参加した方の繋がりで別のグループからの依頼があったりと、輪が広がっていくのは嬉しいことでした。
 そんな中で、私たちの講義を反訳して電子書籍(第1弾第2弾)にしてくださったグループもありました。学習会の様子は、3つの新聞に取り上げられました。

 

3 このような活動は、わかり辛い法律との格闘というハードな面もありましたが、一種の「部活動」のような楽しさもありました。
 でも、参議院選挙後の長い休憩のあと、私たちの会は、きょうで廃部にすることにしました。もともと、短期限定の会であると宣言して始めたので、いつまでも続けることは「禁反言」となるからです。
 
 でも、私たちは、立憲主義が破壊される現場を見てしまいました。そして安保法成立後、戦争する体制作りは次々に進んでいます。これを見過ごす日常に戻ることはできません。
 なので、「激!怒れる女子会@きょうと※男子も可」は廃部となりますが、メンバーだった弁護士はこれからも、少し広く、少しじっくりと、安保法制や憲法について解説する活動は続けていこうと思います。スタンダードに、正確に、わかりやすく解説する、というスタンスを忘れずに。
 今もなお毎日数十人の方がアクセスしてくださっているこのblogは残しておきますし、講師派遣活動も形を変えて続けるつもりです。


 最後にご案内です。

 

~ご案内~

 9月22日午後2時、京都弁護士会主催の大集会が、円山音楽堂で開催されます。「安保法制廃止 立憲主義回復を求める 京都大集会」です
 そこではなんと、名著「日本人は人を殺しに行くのか」(朝日新書)の著者である伊勢﨑賢治先生が、講演されます。 

「違憲なものは違憲!安保法制を廃止し、立憲主義の回復を求める京都大集会」

日時: 2016年9月22日 (木・祝) 午後2時~【開場 午後1時】
場所: 円山公園音楽堂

詳しくは以下のチラシを御覧ください(クリックするとPDFファイルが開きます)。 

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  伊勢﨑先生は、現在は、東京外国語大学大学院で「平和構築・紛争予防講座」という魅力的な講義を担当されている教授ですが、その経歴はまさに紛争の現場を歩いてこられたと言えます。

 先生は、20代半ばで、「民族間の対立が暴動が絶えなかった」インドのスラム街の現場で(映画「スラムドッグ$ミリオネア」みたいですね)、「コミュニティオーガナイザーとして住民運動に関わった」のを契機に、「シエラネオネ、ケニア、エチオピアで農村総合開発に関わった」り、「国連平和維持活動の幹部として東ティモールへ多国籍軍二個大隊を統括し」たり、「日本政府の特別代表という立場でアフガニスタンに赴き」、「軍閥たちの武装解除を敷きした」という経歴をお持ちのつわ者です。
 その先生が、紛争の現場を知っているが故に、安保法制の立法事実の「ウソ」と危険性を警告し、懇切に解説してくださったのが上記の著書です。
 私たちも、ブログ作成の際や講師活動の準備の際に、繰り返し読ませていただきました。
 南スーダンの状況が懸念される中、その伊勢﨑先生が講演されるのですから、期待は高まります。
 22日休日の午後のお出かけは、京都東山、お友達やご家族で、円山公園をのぞいてみてください。
 22日は、円山講演でお会いしましょう! 

                 (文責 弁護士山下信子)